1. ホーム
  2. 女性のからだコラム
  3. こんな時どうする?
  4. お悩み7 子宮筋腫

お悩み7 子宮筋腫

子宮筋腫は、子宮筋層に発生するコブのような良性の腫瘍のこと。女性ホルモンの影響を受けて発育するため、女性ホルモンのレベルが高い20〜40代に発育し、閉経後には縮小するのが特徴です。

内診と超音波検査で、筋腫の大きさや発生部位は容易に診断できます。発育は比較的ゆるやかで、悪性化はしません。しかし急激に大きくなる場合や、更年期以降も大きくなり続ける場合には、悪性腫瘍の子宮肉腫のことも。一度はMRI検査を行い、肉腫を疑う所見がないか確認が必要です。

さらに筋腫の発育速度や症状を評価するために、経膣または経腹超音波検査で3ヵ月〜1年の間隔で、フォローアップを行います。無症状や症状が軽度の場合は、特に治療する必要はありません。

ただし貧血をきたしている場合は、過多月経だけが原因ではなく、鉄の吸収不良であることも考えられます。鉄剤やサプリメントで改善するようなら、特に筋腫の手術をする必要はありません。

代表的な症状

筋腫の発生する場所によって症状は異なります。代表的なものとしては月経量が増え、かたまりが混じるような過多月経や、それによる貧血、ひどい月経痛、虚血による筋腫自体の痛みなどがあります。
特に過多月経を訴える場合には、患者さん自身が分かりやすいような表現で(ナプキンの大きさ、ナプキンの交換頻度など)月経量とQOLを評価するとともに、貧血の進行度合いを客観的に評価する必要があります。

こんな治療法があります

月経量が多い場合は、低用量ピルや薬剤付加IUDにより、月経量を安定させることができます。下腹部痛や月経痛が強い場合は、鎮痛剤やピルを使用しますが、それでも症状が落ちつかない場合は、薬物療法もしくは手術を選択します。

薬物療法は人工的にホルモンを低下させ、閉経後の状態を作る治療法で、1ヵ月に1度の注射を6ヵ月間続けます。しかし副作用として更年期障害が出ることがあるため、人によっては継続が困難なことも。筋腫は縮小しますが、6ヵ月間の治療をやめると、ゆっくり元の大きさに戻ります。閉経が間近な場合はこの方法で閉経に逃げ込むことも可能ですが、若い女性の場合は、骨量減少や体調不良などのデメリットが大きいため、この方法はあまり適しません。

手術には開腹による子宮全摘出と、子宮筋腫のみをくり抜く子宮筋腫核手術などがあります。従来の治療では「大きな筋腫は早く手術しないと手術困難になる」といわれていましたが、最近は自覚症状がないもの、また自覚症状があっても対症療法でコントロールできるのであれば、閉経を待つことは可能です。
若い女性で将来妊娠・出産の希望がある場合、無症状の筋腫であれば治療は不要です。痛みが強い場合や子宮内腔の変形が激しく、過多月経が強い場合は、子宮にできた筋腫だけをくりぬくように取り除く、子宮筋腫核手術を行います。

子宮筋腫は、女性のリプロダクティブ・ヘルス(安全で満足できる性生活をおくり、子供を産むかどうか、産むとすればいつ、何人かを選択できる権利のこと)に大きく関わる問題です。患者さん自身がライフプランを立て、治療のメリットとデメリットを考慮して、本人の意思を尊重しながら治療を行うことが必要です。

種部恭子(女性外来ハンドブックより)