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お悩み14 摂食障害

摂食障害とは?

「食べる」という行為が適切に行なえない状態を摂食障害と呼びます。摂食障害には食べることを拒否する「拒食」と食べた後に嘔吐をする「過食」がありますが、いずれも同じ病気です。

摂食障害の背景・要因

摂食障害という概念が出てきたのは1960年代頃から。原因としてはそれまで豊満でふくよかなことが理想とされていた女性の体型が、急激に「スリム・スレンダー」へと移行し始めたことが考えられます。

この摂食障害は先進諸国の都市部に限られた現象で、食料難を抱える途上国などではまずみられません。またやせた体型は女性としての未熟さや不安定さの象徴であるため、成熟した女性への拒否感などから摂食障害になっているケースもあります。

全体的に摂食障害の患者さんは自分に対して自信がなく、その反面自分で思い描く理想像には完璧なものを求めます。つまり本来の自分を受け入れることができないのです。これはそれまで育ってきた家庭環境などで、「あるがままの自分を受け入れてもらえない」と感じている場合によく起こります。

症状と診断

拒食の発症は10代前半(初潮を迎えて性を意識するころ)から始まり、20代〜30代にかけては、拒食より過食嘔吐が増えていく傾向にあります。また極端なやせ傾向の拒食患者に比べて、過食嘔吐の患者さんは体型は平均的な場合もあるので、ちょっと見ただけでは分からないこともあります。

しかしいずれも栄養障害を起こしているので、貧血や低血圧、浮腫などの症状が表れます。また電解質のバランスが悪くなるので低カリウム血症による麻痺や不整脈など、命に関わる症状を引き起こすこともあります。

また体重減少による無月経や生理不順をきたして婦人科を訪れるケースや、リストカットなどの自傷行為も多くみられます。

こんな治療法があります

まず「摂食障害は心の問題である」ということを理解しましょう。また「摂食障害を治そう」というスタンスで治療にのぞむのは適切ではありません。なぜなら摂食障害というのはあくまで表面に現れた現象であり、その人がそういった(摂食障害という)手段をとることで生き延びている、ということも考えられるからです。ですから患者本人が「やめよう」と思わない限り、外的な治療が効果を発揮することは少ないかもしれません。

ですから治療に関しては、無月経には低用量ピルなどのホルモン療法、生命を維持するためには栄養補給など、そのつど対症療法的に行なうのが有効だと思われます。もっと踏み込んでの治療となるとカウンセリングが必要になります。また現在は同じ悩みをもつ自助グループが積極的に活動していますので、その中で改善していくケースもみられます。

摂食障害の患者さんたちは皆さん自分に厳しく、「完璧にできないならやらない」という二次元的な考え方をする傾向があります。いつもいい加減なところがない、余裕のない考え方に縛られていますので、「まあ、いいか」という曖昧さをもった考え方ができるようになると、病状が改善する転機になると思われます。そのためには外からの評価にとらわれることのないバランスのとれた自己愛と、生きる目的を見出せるかどうかがカギになります。

吉野一枝(女性外来ハンドブックより)