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お悩み13 パニック障害

パニック障害とは?

最近では「パニック障害」という病名も一般に知られるようになりました。今のような病名がついたのは25年ほど前からですが、病気自体は昔からあり、以前は「心臓神経症」や「不安神経症」といわれていました。しかし「パニック障害」という言葉は知っていても、実際にどんな症状が起こるのか、正しくは知られていないようです。

パニック障害とはある日突然パニック発作に襲われ、それ以降は「また発作がくるのではないか...」と不安になる病気です。30代を中心に、20代〜40代の働き盛りに多い病気です。

吐き気や激しい動悸、息苦しさなどを伴いますので、患者さんの8割は発作の後になんらかの身体疾患を疑って内科などを受診すると言われています。適切な治療を受けずに放っておくと慢性化しますが、早期にきちんとした治療を受ければ必ず治ります。

パニック障害の原因

パニック障害は脳内の神経細胞同士の連絡を担う神経伝達物質のアンバランスにより、パニックの症状が起こるといわれています。神経伝達物質の中でも主にノルアドレナリン・セロトニン・GABA(ギャバ)が関係していると思われます。

よく患者さんから「ストレスからパニック障害が起きたのでは?」と質問を受けますが、ストレスは症状のきっかけにはなっても直接の原因ではありません。ですからパニック障害になった原因やきっかけとなったストレスを探したり、悩むことにはあまり意味がありません。

症状と診断

パニック発作の主な症状は、下記の項目です。

  1. 動悸と心拍数の増加
  2. 冷や汗
  3. 身体や手足の震え
  4. 息苦しさ
  5. 息が詰まる感じ
  6. 胸痛や胸部不快感
  7. 吐き気
  8. めまい、ふらつき
  9. 現実感がなくなる
  10. 気が変になるのでは...という恐怖感
  11. 死の恐怖
  12. しびれやうずき
  13. 全身の皮膚の冷感、または火照り感

この中で4つ以上の項目が予期せずに同時に起こり、10分以内に急激に高まってその後30分以内で急速に治まると、パニック発作と呼ばれます。
またこれらの発作が繰り返し起こり、体を検査しても何も異常がなく、「また起こるのでは?」という不安にかられて家から出られなくなったり、発作の起こる可能性のある場所を避けるようになる場合は、パニック障害が疑われます。

初回発作後に状況や場所に関係なく発作が繰り返されて「また発作を起こすのでは...」という不安(予期不安)が強まり、日常生活に支障をきたすようになると、今度はうつ状態を併発する場合もあります。
また女性の場合は、月経前の時期に発作を起こしやすいのも特徴です。妊娠中は症状が軽快し、出産後に再発しやすいことが知られています。

こんな治療法があります

主に薬物療法が中心です。抗うつ剤、特にSSRI、SNRI、三環系抗うつ剤という種類で効果が高く、治療のベースになります。さらに発作の症状軽減目的で即効性のある抗不安剤の併用や頓用を行ないます。

乗り物に乗れない、美容院に行けない、スーパーのレジに並べないなど日常生活に支障がある場合は行動療法を併用し、苦手になってしまったことに自信をつけて元通りに行動できるようにしていきます。またカフェインや炭酸飲料の摂取、喫煙、ハードな肉体労働は発作を誘発するので注意したほうがいいでしょう。

皆川恵子(女性外来ハンドブックより)