新型コロナウィルス(COVID19)の感染拡大防止のための臨時休校に伴う医療職の負担についてのアンケート結果

新型コロナウィルス(COVID19)の感染拡大防止の観点から、2月27日夕刻、首相から3月2日より全国の小中高校を臨時休校にするようにとの要請がありました。各自治体ごとに対応は異なりますが、子どもがいる医療職と、その勤務先に、急に多大な負担が強いられていることとなりました。本アンケートは、その負担の実態を推計して世の中に訴える目的で、NPO)女性医療ネットワークが3月4日~18日に実施し、314名の方から回答をいただきました。ご協力いただきましたみなさま、ありがとうございました。

本アンケートの結果をうけて、女性医療ネットワークは以下の提言をいたします。
医療機関職員の負担増加は、医療機関での感染拡大、ひいては医療崩壊の大きなリスクとなり得るが、急な休校措置は、40歳前後の最も働き盛りな親世代の医療職にとって大きな負担となる.中でも女性医療職は、男性医療職と比べて子どもの見守り手配などを一手に引き受けていることが多く、負担が大きいことが懸念される.
今後の新興感染症に備えて、平時より休校措置をとる基準を設けたり、その後の医療体制を適時適切に変容できる仕組みを設けるなど、準備しておくことが望ましい.

結果の概要
– 休業せざるを得なかった子育て中の医療職が44.2%
– 休業しない/するに関して、どんな背景の人も同様の割合
– 子どもの手配を「子どもの父親」のみが担ったのはたった2%.一方、「子どもの母親」のみは53% 、自分と他の家族で相談が19%
– こどもの見守りを祖父母やシッターなど個人にお願いしているのは46.4% .うち、58%が70歳以上の高齢者に (新型コロナ重症化リスクが高いにも関わらず)お願いせざるを得ない状況。
– シッターなどの費用負担は中央値25,000円
– 保育園や幼稚園は休園措置を要請されていないが63%が休園もしくは、休園でなくとも登校基準がいつもより厳しくなるなど通わせにくくなっている
– 高校生以下の子どもを持つ回答者の16.3%が小3以下の子どもだけで過ごす時間があると回答し、その時間の中央値は2週間のうち25時間と長い
– 管理職の53%は運営上の不安を感じ35%は経営上の不安を感じている
– 運営上の不安を感じる管理職の80%が、「シフトが組めない可能性がある」と考えている
– もともと新型コロナの影響で医業収入が減少していた(中央値で約2割)のに加え、68%が臨時休校措置によりさらに医業収入が減ると考えている

詳細な結果はこちら

自由回答の内容
子どもを持つ医療職向け質問:臨時休校措置によるご自身の勤務への影響について
子どもを持つ医療職向け質問:臨時休校措置に伴う、ご自身ならびにご家族の負担
子どもを持つ医療職向け質問:臨時休校措置のために、ご自身ならびにご家族が「よかった」と思えること
管理職向け質問:その他、臨時休校措置に伴い、医療機関の運営上の負担が予想される事態